「またクレームだ…」
もし今、あなたがサービス業で働き、毎日のようにクレーム対応に追われているなら、その辛さ、痛いほどよくわかります。
かつてガソリンスタンドの店長として、僕は数えきれないほどのクレームに直面してきました。
中には理不尽な内容もありましたが、クレームが多いということは、お店側に改善の余地があるという証拠でもありました。
この経験と、後にコンサルティングで学んだノウハウは、僕にとってかけがえのない財産です。
この記事では、ガソリンスタンドでの豊富なクレーム対応経験とプロのコンサルティング指導から得た、お客様を「味方」に変えるクレーム対応術を紹介します。
これらの秘訣を実践すれば、あなたもクレームを恐れることなく、お客様との信頼関係を築けるようになるはずですので、ぜひ最後までご覧ください。
お客様を笑顔にする7つのクレーム対応


クレーム対応は、単に問題を解決するだけでなく、お客様との関係をより強固にするチャンスでもあります。
ここでは、僕が実践してきた具体的なステップをご紹介します。
- 徹底的に「聞く」ことから始める
- 「なぜ?」に答える丁寧な説明
- 笑顔のタイミングを見極める
- 「〇〇分お待ちください」時間を明確に伝える重要性
- 安易な謝罪は避ける
- 「できない」だけで終わらせず代替案で共感を呼ぶ
- チームで対応力を高める
1.徹底的に「聞く」ことから始める
悪質なクレーマーではなければ、クレームというのは基本的には相手側の思い込みや勘違い、意見の相違の場合が多いです。
お客様が怒っている時、まずはその怒りを真摯に受け止めることが何よりも重要です。
多くの場合、お客様は「自分の話をきちんと聞いてほしい」と感じています。
- 共感を示す
お客様の気持ちに寄り添い、「それはお困りでしたね」「お気持ちお察しいたします」など、共感の言葉を伝えましょう。 - アイコンタクトを大切に
お客様の目を見て話を聞くことで、「あなたの話をしっかり聞いています」という姿勢が伝わります。 - 言葉遣いと姿勢
落ち着いた丁寧な言葉遣いを心がけ、誠実な姿勢で向き合いましょう。
お客様が「この人は自分の話を真剣に聞いてくれている」と感じれば、冷静さを取り戻し、あなたの話にも耳を傾けてくれるようになります。
もちろん嘘はだめですよ。見破られてしまいます。
2.「なぜ?」に答える丁寧な説明
お客様が抱える疑問や不満には、丁寧な説明で応えることが不可欠です。
特に、誤解や思い込みによるクレームの場合は、分かりやすい説明で解決に導けます。
- 理由を明確に
「決まりだから」で終わらせず、その「決まり」がなぜ存在するのか、お客様が納得できる理由を具体的に伝えましょう。 - 専門用語を避ける
お客様に理解してもらえるよう、専門用語を避け、平易な言葉で説明するよう心がけましょう。 - 多角的な視点
一つの事柄でも、お客様の立場に立ってさまざまな角度から説明することで、より深い理解に繋がります。
忙しい時でも、「こんなことまで説明するの?」と思わずに、お客様が「なるほど」と腑に落ちるまで、粘り強く丁寧に説明することが解決への近道です。
3.笑顔のタイミングを見極める
接客業を始めて間もないスタッフがクレーム対応しなければならないときに、「笑顔で接しなければいけない」と思い、お客さんが怒っている時にニコニコしながら接していたところ、「ヘラヘラしてんじゃねぇ」とお叱りを受けたことがありました。
接客業において笑顔は基本ですが、クレーム対応においてはそのタイミングが重要です。お客様が怒っている時に不用意な笑顔を見せると、不真面目な印象を与えてしまう可能性があります。
- まず真剣な表情で
お客様の怒りを受け止める際は、真剣な表情で臨みましょう。 - 解決の糸口が見えたら
問題解決に向けて協力し合える雰囲気になったり、お客様が冷静さを取り戻したりした段階で、安心させるような穏やかな笑顔を見せることが効果的です。
笑顔は大切ですが、状況を見極める「観察力」と「判断力」が、クレーム対応の成功を左右します。
4.「〇〇分お待ちください」時間を明確に伝える重要性
人は、理由も分からず待たされることに強いストレスを感じます。
「少々お待ちください」「しばらくお待ちください」といった曖昧な表現は、お客様のイライラを増幅させ、クレームに発展する可能性があります。
- 具体的な時間を提示
「〇分ほどお待ちいただけますでしょうか」「〇時までに改めてご連絡いたします」など、具体的な時間を明確に伝えましょう。 - 理由を添える
なぜ時間がかかるのか、簡単に理由を添えることで、お客様は納得しやすくなります。
ほんの少しの言い方の工夫が、お客様のイライラを軽減し、クレーム発生のリスクを大きく下げることができます。
5.安易な謝罪は避ける
クレーム対応はほんとに大変だと思います。できれば早く解決してしまいたいですよね。
しかし、クレームを早く解決したい一心で、原因が不明確なまま安易に謝罪してしまうのは危険です。
不用意な謝罪は、お店側に非があることを認めたと解釈され、お客様の期待値を上げ、後々のトラブルに繋がる可能性があります。
- 事実確認を優先
まずは状況を正確に把握し、責任の所在を明確にしましょう。 - 「ご不快な思いをさせて申し訳ありません」
お客様の感情に対しては、共感を示す形で謝罪の意を伝えるのは適切です。例:「お待たせしてしまい、申し訳ございません」「ご不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます」。 - 原因が判明したら
もしお店側に明確な非があれば、その原因を説明した上で誠意をもって謝罪し、対応策を提示しましょう。
ただひたすら「申し訳ありません」を繰り返すだけでは、お客様の不満は解消されません。冷静な状況判断と、適切な謝罪が求められます。
「できない」だけで終わらせず代替案で共感を呼ぶ
お客様の要望にそのまま応えられない場合でも、「できません」と突っぱねるだけでは、さらなる怒りを招く可能性があります。
- お客様の要望を理解
まずは、お客様が何を求めているのかを正確に把握しましょう。 - 「〇〇は難しいのですが、△△でしたらいかがでしょうか?」
できない理由を伝えつつ、お客様のニーズに寄り添った代替案をいくつか提示することで、協力的な姿勢を示すことができます。 - 一緒に問題を解決
お客様と共に解決策を探る意識を持つことで、お客様も次第に協力的な姿勢を見せてくれるようになります。
代替案の提示は、お客様の満足度を高め、長期的な信頼関係を築く上で非常に有効な手段です。
7.チームで対応力を高める
クレーム対応を特定の人材に任せきりにすると、その人への負担が大きくなるだけでなく、対応の質にばらつきが生じる可能性があります。
すべてのスタッフがクレーム対応の基礎を身につけておくことが非常に重要です。
- 情報共有の徹底過去のクレーム事例や対応策をチーム全体で共有し、知識を蓄積しましょう。
- ロールプレイング研修: 実際のクレームを想定したロールプレイングを行うことで、実践的な対応スキルを習得できます。
- マニュアルの作成: 新しいスタッフのためにも、クレーム対応のマニュアルを作成し、いつでも参照できるようにしておきましょう。
チーム全体でクレーム対応力を高めることで、お客様への質の高いサービス提供はもちろん、スタッフのメンタルケアにも繋がり、より良い職場環境を築けます。
まずは「怒りを鎮める」ことが最優先!


お客様からクレームを受ける際、多くのお客様は感情的になっています。
このような状況で、すぐに反論したり、お客様が悪いと決めつけたりすることは絶対に避けるべきです。
- 傾聴に徹するまずはお客様の話を遮らず、最後までしっかり聞くことに集中しましょう。
- 感情に寄り添う: お客様の感情を受け止める姿勢を示すことで、冷静さを取り戻しやすくなります。
お客様が感情的になっている状態では、建設的な話し合いは困難です。
まずは、お客様の怒りを鎮めることに全力を注ぎ、落ち着いてから問題解決に取り掛かるようにしましょう。
もしお店側に不手際があれば、誠意をもって対応する
クレームの多くは誤解や勘違いによるものですが、中には本当にお店側に不手際があったケースも存在します。
お客様の話を十分に聞いた上で、お店側に非があると判断した場合は、誠意をもって謝罪し、適切な対応をすることが重要です。
- 素直に謝罪
「申し訳ございませんでした」と、心からの謝罪を伝えましょう。 - 再発防止策の提示
同様の事態が二度と起きないよう、具体的な再発防止策を伝えることで、お客様は安心感を覚えます。
お客様は、過剰なサービスを求めているのではなく、ただ自分の意見が受け入れられ、誠実に対応してほしいと願っている場合がほとんどです。
誠意ある対応は、お客様からの信頼をさらに深めることにつながります。
もし、悪質なクレーマーで対応が困難な場合や、身の危険を感じる、金銭を要求されるといった場合は、一人で抱え込まず、すぐに上司に助けを求め、必要であれば警察に相談することもためらわないでください。
まとめ:クレームを成長の糧に!
今回は、サービス業でクレーム対応に悩む方のために、私の経験と学びから得た7つのクレーム対応術をご紹介しました。
- 徹底的に「聞く」ことから始める
- 「なぜ?」に答える丁寧な説明
- 笑顔のタイミングを見極める
- 「〇〇分お待ちください」時間を明確に伝える重要性
- 安易な謝罪は避ける
- 「できない」だけで終わらせず代替案で共感を呼ぶ
- チームで対応力を高める
悪質なクレーマーでなければ、お客さんもわざわざ怒りたくて怒っているわけではありません。



まずは私達サービス提供側がパニックにならず、冷静に対処することが大切です。
お客様が冷静さを取り戻せば、問題解決までの時間は驚くほど短縮されます。
もしあなたが日々のクレーム対応に悩んでいるなら、今回ご紹介した方法が少しでもお役に立てれば幸いです。
クレームを恐れることなく、お客様とのより良い関係を築くためのヒントとして、ぜひ実践してみてくださいね。