なにかきっかけがあり自分で起業してみようと考えていたり、または知り合いや友達から事業を一緒にやらないか?と誘いを受けていて、
「一人では不安だから知り合いや友達を誘ってみようかなぁ」
「開業資金の負担も減るし、一緒だったら楽しそうだからやってみようかな」
なんて思ってるあなた、
ちょっと待ってください!
そんな軽い気持ちで開業してしまうと、後々大変な思いをしてしまうかもしれません。
以前、カフェを共同経営していた時の私の失敗談や苦労したこと。
それをもとに共同経営するにあたって事前にやっておくべきことについてお伝えしたいと思います。
共同経営を考えている人や共同経営をすでにしていて苦労している方にも役立てもらえるかもしれませんので、ぜひ読んでみてください。
共同経営はした方がいい?しない方がいい?
そもそも共同経営はした方がいいのか?しない方がいいのか?
結論から言いますと、
「共同経営はしない方がいい」
ということになります。
カフェの共同経営を経験した私は、一晩では語り尽くせない程の大変な思いをしました。
ですので、共同経営はおすすめしません。
といわれても、そんな簡単に「じゃあ、やめておこう」とはならないですよね。
もちろん共同経営にはメリットもあり、成功している人たちも数多くいます。
共同経営のメリット、デメリットについては以下のようなことがあげられます。
メリットを活かすことができれば共同経営はとても有効な手段といえます。
しかし、私の場合デメリットの方をもろに受けてしましました。
共同経営を始めようと考えている方は、まずは私が実際に経験した共同経営でのトラブルや、苦労したことがどんなものなのか一度ご覧になってみてください。
そして私の経験した共同経営の失敗談から、ぜひ学びを得てみてください。
他人の欠点や失敗から、より多くのことが学べることについて書いた記事がありますので、気になる方はこちらもどうぞ。
共同経営での失敗談。トラブルや苦労したこと
私が実際に経験した共同経営でのトラブルや苦労などの失敗談は以下の通りです。
- 相手を信じすぎた
- 経営方針が違い過ぎていた
- お金の管理がめちゃくちゃ
- 経営悪化で口論になる
相手を信じすぎた
共同経営の相手とはアルバイト時代の先輩後輩の仲で私が先輩にあたります。
アルバイト時代、その相手はものすごく人柄が良く周りからも人気者で、とても信頼できる後輩でした。
その後輩からカフェの共同経営を持ちかけられたのが始まりです。
その後輩をとても信頼していたし、もともと私も起業を考えていたので共同経営を決心しました。
彼の起業に対する意気込みが強かったのと信頼もあったので、彼をお店の代表者として、やりたいようにやってもらうようにしました。
私はサポートにまわり、経理や調理を担当することとなりました。
しかし、共同経営を始めてカフェを営業していくうちに、私が信頼していた後輩ではなくなっていったのです。
私が勝手に「彼はいい人」「彼ならばやってくれるはず」と思い込んでいただけということに気づきます。
経営方針が違い過ぎていた
とにかく経営方針が違い過ぎていたのです。
開業する前の話し合いの場では経営方針は一致していると思っていたのですが、いざ開業してみると、経営方針が全然違っていたことに気づきました。
稼ぐことを重視し過ぎて、休業日を入れると家賃がもったいないという理由で最初は休業日を設けず営業していました。
お客さんファーストを心がけているはずなのに遅刻が多く、開店時間になってもお店をオープンできない。
とにかく掃除が嫌いで店内が汚い。
雇っている従業員に対して厳しく、機嫌が悪いと物にあたったり、従業員に物を投げつけるなど完全にパワハラ行為です。
ただ、彼はお客さんにはものすごく親切で話も上手く、お客さんからしてみればすごく人柄のいい頼りになるオーナーさんでした。
いわゆる「外面がいい人」です。
表と裏の顔がすごい。こんな極端な人を見るのは初めてでした。
もちろん私は彼に対して注意や意見をするのですが、聞く耳をもってくれません。
注意や意見をすれば機嫌が悪くなる一方です。
気づいて見ればお客さんと仲良くなり過ぎて、もはや友達のたまり場のようになってしまい新規のお客さんが入りづらいカフェになっていました。
私は彼の行動に悩んでいたので、私の友人にそのことを相談してみたところ、その友人はこう言いました。
「その彼は経営をしたかったんじゃなくて、経営者になりたかったんだよ」
すごく納得のいく言葉でした。
オーナーであることを自慢し、周りの人たちから「すごい!」といわれることに喜びを得ていたのではないかと思います。
言われてみれば、彼の口癖が「僕は経営者として~」「僕がオーナーです!」など経営者であるという自己主張が多かったことを思い出します。
ただ、彼には人を惹きつける力があるので、これはこれでものすごい才能だなと関心しするところではあります。
私はというと、今まで経験してきた仕事のノウハウを活かして「自分たちはどこまで通用するのか?」「さらに経験を積んでお店を成長させていきたい」のような気持ちで経営をしていきたいと思っていました。
「経営者になりたい」と「経営をしたい」とでは経営方針が違ってくるのも無理はありません。
相手を信頼し過ぎるあまり、経営に対する思いは相手も私と同じであろうと思い込んでいたことが上手くいかなかった要因だと今では反省しております。
お金の管理がめちゃくちゃ
とにかくお金にだらしないというか、お店のお金とプライベートのお金を混同していました。
彼が使う私用でのお金をレジから持っていく。
彼は友達たちと遊びで使うお金を、お店のお金で払おうとしたときのやり取りでは、
私「今のお店にお金の余裕なんてないよ」
彼は「えっ!そんなの経費で上げればいいじゃん」
話をよくよく聞いてみると、どうやら彼は経費として計上すればお金が湧いてくると勘違いしていたようです。そもそも仕事と関係ない私用のお金は経費にできません。
経理を担当していた私は、そのお金の行き先を調べるのに本当に苦労しました。
経営悪化で口論になる
経営悪化により従業員の給料の支払いも困難な状況になり、私の貯金を取り崩してなんとかその場を凌いでいましたが、私の給料も払われなくなり、貯金も底を尽きてしまいました。
非常に厳しい状況のなか、彼はまさかの行動をとったのです。
知らないうちに飛行機の予約をとって旅行にいってしまいました。
支払いのお金が足りないときは、「お金を取っているんじゃないか?」と疑われたり、挙句の果てには売上げを出せないのを私だけのせいにして、「あなたの責任なんだから、今月の家賃の支払い分をここに振り込んでおいてくださいね」と、振込用の口座番号をメールで送られてきました。
もう怒り爆発です。
関係は最悪で、とんでもない口論にもなりましたが時すでに遅しです。
共同経営する場合に決めておくべきこと
以上のことから共同経営するのは苦労することが多いとわかっていただけましたでしょうか。
これでもほんの一部ですが、多くが愚痴みたいになってしまったことをお詫び申し上げます(汗)
確かに私の体験は特殊かもしれません。
ですが当時、共同経営を始める直前の私も「共同経営は大変」と知っていたにもかかわらず、自分なら大丈夫だろうとたかをくくっていました。
その結果が先ほど述べてきた通りです。
結局、経営は上手くいかず廃業することとなりました。
私は私で、言わなければならないことをはっきりと言えなかったことが最悪な事態を招いてしまったと猛省しております。
経営することが初めてということもあり、お互いが未熟であったために引き起こした結果だと受け止めています。今ではいい勉強になったなと前向きに考えています。
経営の悪化が続き始めたくらいからオーナーの彼との関係は最悪でしたが、廃業した後時間が経つにつれてお互い冷静になり、当時の怒りはもうありません。
仲良しまでとはいかないですが関係は戻りましたよ!
私のようにならないためのも共同経営を始める前には対策が必要です。
もし、共同経営を始めている方で上手くいっていない人も初心に戻り、今からでも遅くないので、これから紹介する「共同経営をする場合に決めておくべきこと」を実行してみてください。
「共同経営する場合に決めておくべきこと」は以下のようになります。
- 経営方針をしっかり決める
- 給料、報酬の取り決め
- 役割やルールをしっかり決める
- 口約束にしない
- 言いたいことははっきり言う
- 引き際を決めておく
こちらの6つのことを順番に説明していきますね。
経営方針をしっかり決める
経営方針をしっかり明確にしておくことはものすごく重要です。
お互いの目指すところが違っていればいずれはすれ違いが生じてしまいます。
決して、「経営者の立場なのだから、相手も自分と経営に対する方向性は一緒のはずだ」なんて思ってはいけません。
開業する前に必ず意見を出し合って経営方針を一致させておきましょう。
- お互いの目指すべき方向性を必ず一致させておく
- もし途中で方向性がずれてしまっても、話し合いをして修正すればよい
給料、報酬の取り決め
報酬や給料の配分をしっかり決めておくことが必要です。
報酬や給料が同等だと仕事量に対して不満が出たり、トラブルのもとになり兼ねないので肩書や担当役割などで取り分の比率を変えることをおすすめします。
ちなみに私たちは最初は完全に50:50の折半でしたが、それだとモチベーションが上がらないと彼からの要望があり、彼はオーナーの立場であったため利益のすべて、私は経理担当で固定給で合意しました。
役割やルールをしっかり決める
共同経営のメリットで役割分担をすることでお互いをフォローし合えるというのがあります。
ですが、役割や営業するにあたってのルールを決めておかなければ、お互いの仕事量に差が生まれ不満を抱いてしまいます。
「これぐらいはできて当然なのだから決める必要はないな」と思うような細かいことでも決めておいてください。
例えばですが
- 出勤時間
- 開店時間
- ラストオーダーや閉店時間
- 洗い物は誰がするのか?
- トイレ使用時は清掃する など
「えっ!?こんなあたりまえのようなことも決める必要あるの?」と聞こえてきそうですが、明確に決めておくに越したことはありません。
なぜなら、自分にとっての常識は相手にとっては非常識かもしれませんからね。
- 「相手も自分と同じ考えのはずだ」と思い込まない
- 細かいことでも極力ルールとして決めておくようにする
口約束だけにしない
口約束は危険です。
口約束なんていう、こんなにも曖昧な約束なんてありません。
口約束は無いに等しいです。
過去に勤めていた会社の上司が「人は信頼しても信用するな!」とよく口にしていましたが、今ではその言葉の意味がすごくわかります。
どんなに信頼があっても、お金が絡んでくると人は変わってしまう可能性が非常に高いです。
「人を信用するな」と聞くと、なんだかネガティブなイメージを抱きそうですが、トラブルを回避するためにも良い意味でとらえてみてください。
前途で述べてきたルール等は口約束だけには絶対にしないでください。
必ず書面やデジタルのデータとして永年保存しておいてください。
そうすることで「言った、言わない」でのトラブルを回避することができます。
相手を信用しすぎた私は約束事やルールのすべてを書面等で残しておらず、口約束だけにしてしまったことにより最初に決めたはずだったルールがことごとく破らて苦労したことは、もう言うまでもありません。
- ちょっとでも重要と感じた約束やルールは書面等で記録に残すようにする
- 「言った、言わない」でのトラブルを起こさないためにも必ず口約束だけにはしない
引き際を決めておく
物事は始めることよりもやめることの方が難しいといいます。
起業して経営している場合でも、「ここまできたら潔くやめる」という引き際を決めておかなければ、経営が悪化したとしても「まだ大丈夫!巻き返せる」と借金はどんどん増えていき、取り返しのつかない事態になってしまう可能性があります。
もちろん最後のぎりぎりまで諦めないことはとても大切なことです。
ですがそのぎりぎりのライン、いわゆるデットラインがわからなければ、どこまで頑張ったらいいのかもわかりません。
人は損失を恐れたり、欲が出てしまったりと、感情に振り回さることがあります。
恐怖心や欲望を抱くこと自体は悪いことではありません。成長するにはむしろ必要なことです。
ただ感情に振り回されていては冷静な判断力を失い、ものごとを適切に対処ができなくなってしまいます。
感情に振り回されて冷静な判断ができなくならないように、起業する時には引き際もしっかりと決めておきましょう。
- 始まりを決めるならば、同時に終わりも決める
- 引き際を設定しておけば、感情に振り回されにくくなる
まとめ
以上の共同経営で「苦労したこと」や「事前に決めておくべきこと」について紹介してきました。
これから共同経営を考えてる人、すでに共同経営をしていて上手くいっていない人に少しでもお役に立てていただけたら幸いです。
失敗をすることで学べることはたくさんあります。
ですが、せっかく希望をもって起業するのに、しなくてもいい失敗や思いをして事業を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。
他人の失敗からでも多くのことを学ぶことができます。
ぜひ私の失敗談からリスクを回避してください。
あなたの事業が上手く軌道に乗れることを心から願っています。